華凜主宰の俳句
二の替
面を打つ音の高さに寒の月
幼名は玉と言ひしか寒椿
二人分仕込み一人の雪見酒
凍鶴の天より凍てて地に凍つる
穢してはならぬ極楽橋の雪
懸想文買うて手相も見てもらふ
春浅し芸には師弟てふ縁
大鳥居抜ける近道宮の春
藤十郎偲ぶ夕霧二の替

雑詠 巻頭句
松浦屏風悲喜は描かれてをらざりし
菅恵子
雑詠 次巻頭句
信玄の隠し湯巡り紅葉狩
下田育子
誌上句会 特選句
和田華凜主宰選
握手して終る診察冬ぬくし
谷川和子
中谷まもる副主宰選
冬泉中村哲の一年祭
岡本和子
金田志津枝選
牡蠣をむく音の世界となりにけり
前田たか子
柳生清秀選
御母衣ダム涸れて湖底の村役場
土岐洋子