同行二人競詠五句 お題「新年詠」

土岐洋子

年新た

年新た干支の置き物いき返り

とんど焼く仕来り守る男衆

農機具は父の手づくり注連飾る

仏膳に御神酒そなへるお元日

常日頃の暮しに戻す松七日

中村雅子

初明り

正月や船名太き大漁旗

海光る筏の下の牡蠣重き

早起きの厨の窓に初明り

ごまめあてに積る話の父と子や

泣初の子に父の膝母の膝