今月の俳句

2022年11月の俳句

華凜主宰の俳句 月の女人 冷やかや面の内より見る浮世 万葉のうたを携へ月の道 松風も水音も月の客として 良夜かな有馬の湯女の赤襷 湯浴みして月の女人となりしかな 妓の仕草真似ていただく月見酒 宴更けてますほの芒壺に足す …[続きを読む]

2022年10月の俳句

華凜主宰の俳句 愛宕山 初秋や愛宕山へと雲動く 海風のはげしき日なり霊迎 盆の月上りて命重さうに 稲妻に発止と浮ぶ沖の船 浜に着く二百十日の石かろし 窯元の七つある里月見豆 浮舟の墓を訪ねて露の宇治 よすがあり庵に台湾杜…[続きを読む]

近詠

山形陽彦 送り火 炎天や一直線に続く道 次次に川に飛び込む裸ん坊 日にかざす透し模様や奈良扇 火の列のうねりて進む虫送り 送り火や妣は方向音痴なりし 京洛のネオンは消えて大文字 精霊と供に消えゆく大文字 福島津根子 労ひ…[続きを読む]

2022年9月の俳句

華凜主宰の俳句 だらりの帯 胎内に心音抱き月涼し 夏の月地球儀にある海いくつ 花氷とどめたしとは思へども 閻王に会うてしこたま雨に会ふ 夜の部は恋におぼれて夏芝居 炎帝の御池通を総べにけり 凱旋の大船鉾はくじ取らず 古都…[続きを読む]

2022年8月の俳句

華凜主宰の俳句 別れの時間 その人を思へば沙羅の散ることよ 著莪の花父ほんたうはさみしがり 紫陽花の藍におのづと静心 たまゆらの夜風入り来し網戸より 清流に見立て鮎描く扇かな 文字摺草ひとふみ箋の減り早し 紙魚の書の金言…[続きを読む]

近詠

石井のぼる 茶屋百年 樟若葉松尾の神は輿を出づ 付添の人は次の間著莪畳 あぢさゐの毬押し合うてゐて静寂 神苑に八つ橋かかり花菖蒲 いごつそうの里へ輿入れゆすらうめ 葉隠れや一条白き滝の水 布引の滝を眼下に茶屋百年 今井勝…[続きを読む]

2022年7月の俳句

華凜主宰の俳句 花あやめ 宇陀の野に籠もて行かむ薬の日 玉繭に月を透かせてうす明り 地車に宮入といふ佳境あり 蛍袋今宵逢ひたいとは言へず 花入に有馬籠もて風炉点前 ぼうたんの月に音なく崩れけり 智恵子抄手にす卯の花腐しか…[続きを読む]