今月の俳句

句集 花の雲

金田志津枝 諷詠同人 自選十五句 海よりの秋声海に消えにけり 蛍火の草より草に零れけり 来し方の見ゆるや花の雲の中 麹町三番町の燕の巣 そんなとき笑つてみよと山笑ふ 鬼やらひだけは大きな声出して 捜すこと勿れ涼しきところ…[続きを読む]

2021年11月の俳句

華凜主宰の俳句 月の秋 秋簾内緒話の京ことば 約束のしるしげんまん吾亦紅 月の秋女と書きてひとと読み 八千草の遊ぶ背山に妹山に 柝の入りて海に上るやけふの月    喜界ケ島「平家女護島 俊寛」 俊寛の流刑伝説月の舟 別れ…[続きを読む]

2021年10月の俳句

華凜主宰の俳句 底紅忌 瀧音を追ふ瀧音の早さかな 夏芝居仁左はほろ酔ひ鳶頭 鯔背なり仁左履く黒き祭足袋 ばさと邪気祓うて降魔扇風 亡き人の歳はとらざり水中花 過去帳に師の名加り夏椿 親子とは許し許され月涼し 月涼し命に限…[続きを読む]

近詠

下田育子 ねねの道 茅の輪潜りて師の句碑を訪ねけり 通称のねねの道なり花木槿 水の打ち方も中村楼なりし 落し水竹久夢二寓居跡 夫婦箸買ふ釣葱吊る店に 色街や昼を涼しく灯しをり 鍵善の葛切に終ふ京の旅 山形陽彦 夏芝居 見…[続きを読む]

2021年9月の俳句

華凜主宰の俳句 月光菩薩 禅僧の墨染衣沙羅の白 含羞草をとこの指に閉ぢしかな 白蓮や月光菩薩しづかなり 月鉾の護符に束ねて鉾粽 享保の佳き風起す扇かな こいさんの扇いとはんより小さし 太郎冠者衣装高高土用干 御紋入り贔屓…[続きを読む]

2021年8月の俳句

華凜主宰の俳句 単衣のひと 秋櫻子絶筆の書を曝しけり 黴の書に落款重し謡本 朱の衣ゆらら楊貴妃てふ目高 指南書のありても鳴らず水鶏笛 中折帽取りて鰻の肝所望 芝居観て江戸前鰻いただく日 便箋に小生とあり花菖蒲 ほたる橋渡…[続きを読む]

近詠

岩田雪枝 甲斐の山気 連山の谷間に甲斐の植田かな 若楓躑躅ケ崎の館跡 実桜や武田神社に能舞台 黄菖蒲の咲いて信玄公御墓所 山々に見守られつつ袋掛 山の気を吸ひて鈴蘭白清か 鈴蘭の仄かに匂ふ山路行く 菅原くに子 国境 西の…[続きを読む]

2021年7月の俳句

華凜主宰の俳句 釣瓶鮓 下市村入れば薫風見得を切る 権太の墓訪ふ菩提樹の花の頃 やはき文字屋号は弥助麻暖簾 歪みたる昭和の硝子鮎の宿 山躑躅遊女のごとく眺めやる 老鶯の見せ場心得役者ぶり 五十代続く老舗の蜘蛛ならむ 世の…[続きを読む]