今月の俳句

2022年4月の俳句

華凜主宰の俳句 春の星 春の海神話のごとく明けにけり 如月や伊予の和紙選り書く手紙 雛飾りつと悲しみの薄れゆく 八重椿深紅人住み替りても まんさくの夜の色にもかなひしに 春蘭や新刊の書に金の帯 後の世のことは知らねど月朧…[続きを読む]

近詠

小林一鳥 七度の寅 わが干支の寅が七度明の春 初鏡卑弥呼の顔をふと思ふ 白拍子一人一人に厄払ふ 日向ぼこ世は三猿で過されず 俳人の成人式は五十歳 雪女郎男居ぬ間の露天風呂 濡色の羽を自慢の寒鴉 山形惇子 修験の堂 軒水仙…[続きを読む]

2022年3月の俳句

華凜主宰の俳句 かなたの月日 国栖笛にかなたの月日奥吉野 梅真白月宮殿の名をもらひ 蕗の薹生命線の上におく 心浮く文に二月と書くだけで 湯屋へ行く下駄の躓く春灯 能舞台ありし二の丸春の雪 雪のごと白き落雁加賀の春 懸想文…[続きを読む]

句集 月華

和田華凜 諷詠主宰 自選十五句 結界の黄泉比良坂より時雨 光る音して薄氷の溶けにけり 海底に沈む都の上に月 胡弓の音風に揺るがず風の盆 能面の月華を宿す白さかな 父の座は空席のまま花筵 夜を待つやうに置きある蛍籠 花八手…[続きを読む]

2022年2月の俳句

華凜主宰の俳句 女暫 その一日白紙のままに日記果つ 表紙絵は女暫新暦 波音の果てなき調べ去年今年 元朝の沖の船より明け初むる 寒紅を引きて女流の心ばへ   舞初「富嶽」乃木大将 舞扇広げて淑気おのづから 舞初や八州照す指…[続きを読む]

近詠

髙木利夫 埋火 牧閉ざす日なりし風は風色に 秋刀魚焼く夕べとなりぬ帰らうか 暖炉の火語部めきて燃ゆるかな 妻が踏み吾が踏む音の落葉道 信心といふは埋火にも似たる 襟巻の人呼返すすべもなし 晩年や仕合せほどの葱植ゑて 有本…[続きを読む]

2022年1月の俳句

華凜主宰の俳句 恋のうた 冬瀧の白し初心の真白しと 朴落葉天上高き飛騨の宿 口切の正客にして江戸小紋 ももいろの羊羹うすく切る小春 松浦屏風に恋のうた詠む遊女かな 羽子板市隈取見事成駒屋 翁面外し庵の煤払 浄瑠璃の町の橋…[続きを読む]