近詠

寺西 圭

百楽荘

古き良き時代の庭や冬紅葉

品格を宿す数寄屋の障子かな

歴史ある百楽荘に冬日入る

北風の音に恐れて戸締りす

短日のもう早や暮るる時刻とや

冬三日月きりりと締りゐるやうな

椿咲きふつとなごみて顔合す

宮下美和子

王の墓

四股太き埴輪の牛馬小春風

王の墓遙かまほらの木の実落つ

古墳群三島平野を神渡し

日日小さきよろこび見付け石蕗の花

初咲きの紅は仏に冬椿

しんしんと甍の上を冬の星

グラスワインひとり聖夜のアベマリア