2026年2月の俳句

華凜主宰の俳句

愛のカタチ

色足袋のふらり一幕見席かな

鰭酒や戯れに描く泣き黒子

山茶花の散りつづく夜の星明り

湯豆腐や赦せばすこし赦さるる

葱刻み厨俳人には遠し

ネイルとは縁無き母よ冬林檎

風花や喪服吊るししままの部屋

雪白の形見の紬納句座

アガペてふ愛のカタチも冬の月

雑詠 巻頭句

和紙越しの日差やさしく炉を開く

下橋潤子

句評 心で作って心を消す。比奈夫先生の作句信条がここに。見たままを
写生して、茶の湯の大切な行事、炉開きのめでたさや作者の喜びの心も伝わる。
華凜 

雑詠 次巻頭句

勾玉のやうな小春の明日香かな

田村節子

句評 明日香の地の小春日和を「勾玉」に喩えた。類を見ない美しい感性。
この地には古代文化の香りが漂う。時空を超えたような小春の一日。 華凜

誌上句会 特選句

岩田雪枝選

鉾の句碑詣づ八坂の初時雨

柳生清秀

下田育子選

綿虫てふ過去から抜けてきたやうに

吉田るり

古山丈司選

はづのへの海猫の声冬浅し

新谷須磨子

有本美砂子選

暮早し右折信号短くて

柴田のり子