第4回諷詠大賞「諷詠大賞」の俳句

小林一美

夜神楽

黒土にまみれて田打鍬高く

早苗待つ田に満満の水鏡

高千穂の静かな雨の田植かな

国生みの里の匂の青田風

稲咲いて田水ゆるりと動きけり

音立てて流れに還る落し水

櫓田の二番穂浅黄色深め

萩咲くや神庭作る氏子どち

神楽宿開く氏子の誇らしげ

空稲架や野良着素襖に着替へけり

夜神楽のルーツ鈿女の舞うてより

神楽面つけて忽ち神となる

神づかづか客席へ目覚まし神楽

神楽面外せば十五の美少年

夜神楽や湯気の出るものふるまはれ

八百年受け継ぐ赤き神楽面

ほしやどんの腰の入りたる神楽舞

夜神楽の朴訥として神の恋

夜神楽の面をはみ出す手力男

夜神楽のしらじら明けて戸取の舞