近詠 小林一鳥 七度の寅 わが干支の寅が七度明の春 初鏡卑弥呼の顔をふと思ふ 白拍子一人一人に厄払ふ 日向ぼこ世は三猿で過されず 俳人の成人式は五十歳 雪女郎男居ぬ間の露天風呂 濡色の羽を自慢の寒鴉 山形惇子 修験の堂 軒水仙咲く道辿り写経場 満更でなき顔見せて焚火守 どんど組みにと若者の帰る村 大とんど修験の堂を轟かす 綿帽子戴く嶺や寒九郎 にらみ鯛骨正月の文楽館 浄瑠璃に人形に泣き初芝居