同行二人競詠五句 お題「風鈴」

渊上葉子

風鈴と祭

けふひとり風鈴つるし風待ちて

風鈴に心あそばすこともあり

宮入りの天神祭佳境なり

袖通す祖母の仕立ての藍ゆかた

羅の風と光を重ね着る

筑木佳香

その時の私

風鈴や母の余命を知らされて

葉桜や父の匂の薄れゆく

牛蛙ニャーと鳴きたき夜のあり

梅雨夕焼亥年蟹座の生れです

悠久に一瞬のわれ天の川