華凜主宰の俳句
椿の名
染大島小粋椿の名を問うて
暖かや水屋見舞の京和菓子
錆びず落つ椿の清し実朝忌
手遊に折鶴立てて雛立てて
豆雛にしかと桧扇笏のあり
流し雛見送る空に昼の月
大津絵の鬼の念仏春の雷
辻神の魔除か京の沈丁花
図書館に指定席あり春手套
雑詠 巻頭句
顔見世の墨染衣仁左衛門
青山夏美
雑詠 次巻頭句
凍鶴の一本足に身を托し
中谷まもる
誌上句会 特選句
和田華凜主宰選
逸れ羽子の色美しく風に乗る
小林一美
中谷まもる副主宰選
八十路てふまだ見ぬ道を恵方とす
森本昭代
金田志津枝選
薺粥炊かず朱塗りの椀も古り
竹下緋紗子
柳生清秀選
大試験寝ぐせの髪の撥ねしまま
石村和江