華凜主宰の俳句
月光菩薩
禅僧の墨染衣沙羅の白
含羞草をとこの指に閉ぢしかな
白蓮や月光菩薩しづかなり
月鉾の護符に束ねて鉾粽
享保の佳き風起す扇かな
こいさんの扇いとはんより小さし
太郎冠者衣装高高土用干
御紋入り贔屓の茶屋の団扇風
玻璃の皿海に見立てて夏料理
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雑詠 巻頭句
センセイサクラチリマスと一俳徒
松井良子
句評 「センセイサクラチリマス」の言葉を遺し、諷詠顧問同人の松井ふみを氏は
この世を去った。奥方の良子様がその言葉を句として、永遠に故人の魂を残した。
俳諧という文芸の極み。 華凜
雑詠 次巻頭句
一巻は一夜語るによき蚊遣
大川生枝
句評 一句の十七音の中に小宇宙があり、読み手それぞれの心に物語が生れるような
秀句。一巻の蚊遣に懐かしい思い出が甦るよう。 華凜
誌上句会 特選句
和田華凜主宰選
日本一美しい村青い罌粟
久保田教子
中谷まもる副主宰選
さみだれてアンのお化けの森となる
丸田淳子
金田志津枝選
水の香の中を流るる火振の香
今城仂
柳生清秀選
梅雨深し空の蛇口を閉め忘れ
安野妙香