同行二人競詠五句 お題「風の盆」

今井勝子

石垣と坂の町

闇切る風抱く袂風の盆

風の盆胡弓は腰をもて奏で

踊笠覗く朱唇のいとけなく

風の盆済ませお嫁に行くと言ふ

立山も称へて唄ふ風の盆

山田東海子

旅寝の枕

百選の道に灯点り風の盆

男にも科といふもの風の盆

盆唄の聞ゆ旅寝の枕まで

胡弓の音夜にしみ入る風の盆

水澄めり越中八尾は山の町